台湾では高速バス、長距離バス、観光バスなどに乗車した場合に、2018年度半ばからシートベルトの着用が義務化されることになりました。その結果、違反した乗客は罰金6,000元が科されることになりました。
台湾をできるだけ格安費用で旅行をしようとすると、高速バスは移動手段として最も利用価値が高い乗り物です。
台湾人にもバス料金が安くて、乗り心地が良く、使い勝手が良いため、週末にもなると、乗車するには予約(チケットの事前購入)が必要で満席になってしまうこともあります。
その反面、日本でも同様ですが、都市間を結ぶ長距離バスや観光バスの場合は、事故が多く発生しているため、少し危険な移動手段としても知られています。
高速バスのシートベルト着用が義務化される背景も含めて、観光客として台湾を旅行する時に知っておきたい台湾のバス乗車に関する法律を簡単にご紹介します。
(出典:自由時報)
台湾の高速バスとシートベルト着用義務化の背景
私も都市間の移動では高速バスを何度も利用してきました。幸い、事故などの危険な経験をしたことはなく、非常に快適にバスの旅を楽しむことができています。
台湾の高速バスを利用した私の感想は、日本の高速バスと比べると、座席が大きく座席間のスペースも広いため、快適に利用できます。
その反面、日本の高速バスと比べると、高速道路を走っている時の速度が非常に速く感じます。乗客の体感的なスピードだけでも、明らかにスピードオーバーをしていると感じるほどです。
このあたりのバス運転手の法令順守に対する考え方や、バス会社の従業員に対する姿勢や運行管理の姿勢は日本とは異なる点で、安全に対する考え方が緩いなと感じます。
このようなバス会社あるいはバス乗務員の姿勢を反映するかのような下記のような大きなバス事故が起きています。
- 2017年2月13日 台北市で観光バスが横転、33人が死亡
- 2017年9月11日 高雄市で高速バスがガードレールに衝突、6人が死亡
これ以前にも、高速バスや観光バスの事故により死傷者が発生することが多く起こっていたという背景があります。
このような大きな事故が決定的な要因になり、交通ルールや法令の厳罰化が国会で審議されてきました。
この他にも、バス運転手の苛酷な労働環境も事故を引き起こす要因となっており、労働関係の法令に関しては、立法院で常に審議されてきてきました。こちらの記事を参照してください。
高速バスの乗客はシートベルト着用違反で罰金6,000元
道路管理処罰條例(道路管理処罰条例)の法律改正案が立法院の審議を通過したことにより、2018年半ば(7月~)から施行される見通しです。
(出典:自由時報)
道路管理処罰条例の法律改正の内容(バスに関する条文のみ抜粋)
同時に、交通部公路総局はバス会社の監督を強化し、乗客を乗せ運行する前には、バス会社は動画、音声、掲示などにより、乗客へシートベルトの着用を促しているかどうかを確認し、不十分な場合は、「公路法」によって、9,000~90,000元の罰金を科されることになります。
これにより、バスに乗る乗客もバスに乗せるバス会社も、双方に乗車中はシートベルト着用の義務が科せられることになります。
まとめ
日本でも、比較的年配の方は車を乗る時にはシートベルトをしないで運転していたりする人もいますね。1985年に高速道路で、1992年に一般道路でシートベルトの着用が義務化されましたが、それ以前はほとんどの人がシートベルトをしていなかった経緯があります。
日本では、かなりの年配の人か、DQNでない限り、車に乗る時にはシートベルトをするのが当然のように一般化していますが、台湾では未だに、乗用車に乗る時にシートベルトをしない人も結構います。
台湾人は法律があっても、日本人と比べると法令遵守の考え方がユル~い傾向がありますが、罰金が科せられる法律で縛られているため、今後はシートベルトをせざるを得ないことでしょう。
観光などで台湾の旅行をする場合には、その国の法律を守ることが最低限のマナーです。外国人だからと言って、法律の適用を逃れることはできません。
高速バスや観光バスなどを利用する場合、少なくても国道や高速道路を走っている間だけは、高額な罰金を科せられないためにシートベルトを着用しましょう。
いや違う! 「自分の身を守る」ためにシートベルトを着用しましょう。