台湾の左側通行レールの鉄道交通システムの歴史的理由ともう一つの謎

台湾の台鉄(在来線)や高鉄(新幹線)などの鉄道の車線とその歴史についてのレポートです。台湾の道路交通システムでは日本とは異なり右側車線です。右側車線のため、自動車は全て左側ハンドルで、法律によって右側ハンドルの車は登録できないそうです。それに対して、台湾の鉄道は左側車線を採用しており、道路交通とは反対になります。
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普段から台鉄や高鉄を利用することが多く、私は席が空いていればいつも電車の進行方向を向いて右窓側に座ることが多いです。乗車中に対向列車が通ると窓が少し揺れびっくりすることがよくあります。その時、ハッとしてあることに気が付きました。日本で電車に乗った時にも同じ経験があり、その時もやはり列車内の右窓側に座っていた記憶が蘇ってきました。よく考えてみると、日本と台湾では列車の交通システムに関しては、同じ左側車線を採用していることにその時気が付きました。台湾で車に乗っている時は、右側通行であることを考えると、少し違和感を感じました。つまり、同じ乗り物であるのにも関わらず、自動車は右側車線であるのに対して、電車は左側車線という事実を改めて知りました。

 

台湾の歴史を紐解くと、50年間ほど日本が統治していた時代があります。この時代に、日本が台湾のインフラ整備を進めたという話は非常に有名です。日本の交通システムでは、道路交通も鉄道交通(一部右側もある?)のどちらも左側車線が採用されている理由はさておき、日本統治時代は、台湾でも道路と鉄道のどちらも左側車線でした。ところが、中国大陸から国民党が移ってきて以降、アメリカの道路交通システムに倣って、道路は右側通行に変更されたとのことです。しかしながら、鉄道網までは右側に変更することができないため、日本統治時代と同じように現在も左側通行を採用されているのです。複雑な台湾の歴史が、現在でも社会の様々な部分に影響していることを改めて実感します。

 

そこで、台北や高雄のMRTは左側通行なのか右側通行なのか?
基本的には、台湾のMRTは右側通行のようですが、一部の駅では左側通行となっているようです。比較的最近、敷設されたMRTは道路交通網に合わせて、右側通行にしたのだと推測できます。ここでもう一つ疑問があります。それならば、比較的最近、敷設された高鉄(新幹線)は、なぜ左側通行にレールが敷設されているのでしょうか?理由はハッキリ分かりませんが、左側通行の鉄道網を逆に変更することは鉄道運転士の技術やシステムの変更が必要になり非常に困難なのでは・・・。あるいは、台湾高鉄の車両技術を受注した企業が、日本企業連合だったため、日本と同様の左側通行が採用されたのでは・・・。どなたか、詳しい事情をご存知の方はお知らせください。

コメント

  1. はーちゃん より:

    こんにちは。
    鉄道の左側通行の話ですが、台湾高速鉄道は欧州連合と日本の獲得競争の末、欧州連合側に軍配が上がったものの、台湾の地震により日本勢が巻き返したものです。なので、線路などの土木関係は欧州、車両などの運行関係は日本という混在システムが取り入れられています。
    じつは、フランスは現在でも在来線は左側通行です。これは鉄道発祥の地である英国の規格がそのまま生きているのだと思います。地下鉄はそれに影響されなかったので、パリメトロは右側通行です。
    ということで、フランスが主体の欧州連合の規格からすれば左側通行はあたりまえのことであって、日本の占領問題とは関係ないことがわかります。

    • いいぞっ より:

      コメントありがとうございます。

      台湾には大きく区分すると、台鐵、高鐵、MRTがありますが、まとめると下記の通りになりますか。
      台鐵→日本統治時代に敷設のため左側通行
      高鐵→レール部分はフランス受注のため左側通行(英国発祥)
      MRT→フランスのシステムがベースのため右側通行

      それにしても鉄道システムだけ取り上げても、複雑な状況が垣間見れます。